皆さんこんにちは、司法書士講師の三枝りょうです。
登記委任状。
我々司法書士が、登記申請の前提としてお客様より預かる書類です。
そこに一体、何が書いてあるのか。
これが司法書士受験生には分かりにくい部分です。
「委任事項」と呼ばれるものです。
たとえば。
相続を原因とする所有権移転登記の場合はこんな感じです。
ア 司法書士Aが申請人を代理して所有権の移転の登記を申請した場合において、その申請書に添付した委任状にAに当該登記申請の取下げの代理権がある旨の記載があるときは、Aは、当該登記申請の取下げについて別途の代理権限証明情報を提供することなく、登記申請意思の撤回を理由として当該登記申請の取下げをすることができる。
以上、令和4年度司法書士試験午後の部第18問肢アです。
委任事項6に関する出題です。
正解は「誤り」です。
なお、「補正のため」の取下げの場合は、別途委任状は不要です。
じゃあ「この記載は何のためだ。」と思わないでもありません。
テンプレートとはそのようなものでしょうか。
イ 司法書士が申請人を代理して所有権の移転の登記を申請し、当該登記が完了した場合には、当該司法書士は、登記識別情報の通知を受けるための特別の委任を受けていないときであっても、当該登記に係る登記識別情報の通知を受けることができる。
以上、同肢イです。
委任事項3に関する出題です。
正解は「誤り」です。
登記識別情報が通知される申請の場合、この記載はマストです。
司法書士は、所有権移転登記の前提として登記名義人氏名(住所)変更登記(名変登記)を申請したりしなかったりします。
司法書士受験生であれば御案内のとおり、名変登記では登記識別情報は通知されません。
1名変、2移転と連件で申請する場合、委任状をわざわざ2通もらうことはしません。まとめて1通です。
が、しかし、1件目の名変登記の委任状をベースに2件分の委任状を作ろうとすると悲劇が起こります。
名変登記の委任状のテンプレには「識別情報通知受領の件」が載っていないからです。ピンチです。
それくらい重要な委任事項です。
正直に申し上げて、業務支援ソフトが作成してくれる登記委任状の委任事項の記載は「限界ギリギリ」ではありません。
司法書士試験では「ジャスト」でないと減点されますが、実際の世界では「ややゆとり」があった方が事故が起きません。
お客さんに迷惑をかけることがない、という話です。
「補正のための取下げ」など滅多にないですし、「復代理人の選任」など、出頭主義が廃止された現在、ほぼ皆無です。
が、しかし、一応念のため、テンプレに入っていることしばしばです。
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キボシカミキリです。
6月に甲府の友人からいただいたものです。
まだ生きています。元気です。
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