皆さんこんにちは,司法書士講師の三枝りょうです。
本日は,二十四節気の啓蟄です。けいちつ。
ムシの類が穴ぐらから出てきます。
一般財団法人民事法務協会って何ですか。
吉野家の牛丼が 『超特盛』 ってどういうことですか。
西野カナは会いたくて震えるようですけれども,司法書士はインターネットシステムトラブルで震えます。
実は日本中の誰もが知らない,司法書士だけが震えるというオンライン関係の障害があります。
司法書士の業務は広範に渡りますが,古典的業務の一つに 『決済』 があります。けっさい。
決済って何だという話ですが,ごく簡単に申し上げると,一戸建て・マンション等不動産購入の一連手続のハイライト場面です。
マンションを購入する,これすなわち 『売買契約』 です。民法上の原則としては,契約が成立した瞬間に所有権が買主に移転することになっています。
が,しかし,不動産等の大きい買い物に関しては,『代金全額を支払った時に所有権が移転するぜ。』 という約束をしておくことが一般的です。所有権移転時期特約といいます。
『法律』 は,とにかく漢字が大好きです。アジェンダとかコンバージョンとかデファクトスタンダードとか1ミリも出てきません。
何の話でしたっけ。フィックス,いや違います。
マンションの購入者の多くは,住宅ローンを組みます。自己資金だけだとあれなので銀行から借金をして購入代金に充てるという話です。
売買契約をし,ローン契約をし,いよいよ 『代金決済』 です。これが上述の 『決済』 です。だいたい。ここで所有権が移転し,夢のマイホームが手に入ります。
不動産の場合,『おカネ払ってハイおしまい。』 という訳には参りません。登記が必要です。所有権移転登記。
銀行が無担保でカネを貸すということもないので,併せてこれも登記します。抵当権設定登記。
売主と買主と仲介業者と金融機関の間に立って,決済手続の交通整理をするのが司法書士です。
売買当事者からしてみれば,ちょこっと顔を出してチョイチョイと書類まとめて高けぇ酬取りやがって,と意味わからん存在に見えるようですけれども,見えないところで必死にもがいています。
白鳥か司法書士かという話です。
で。その水面下でのもがき作業の一つに 『閲覧』 があります。えつらん。ようやく本題に近づいてきました。前戯ではなく前振りと言ってください。スローセックスって何ですか。
決済当日に,『売主が勝手に登記名義を書き換えていないか』 『売主の借金のために差押えや新たな担保の登記が入ってないか』 などを確認するため,売買物件であるマンションの登記情報(登記簿)を確認します。直前閲覧。
その昔,まだヒトがマンモスの骨付き肉を焼いて食べていた頃は,物件の登記情報を閲覧するためにわざわざ登記所(法務局)まで足を運んでいました。
が,しかし,現在は高度情報化社会です,全国各地の登記情報をすべてオンラインで閲覧することができます。
それを可能にしているのが,『登記情報提供サービス』 です。運営者・民事法務協会。これマジ便利です。カネさえ払えば不動産の登記情報だけでなく会社の登記情報もクリッククリックで取得できるのでチョー便利です。
そのですね,司法書士が日常業務において便利に使っている登記情報提供サービスが,2019年3月4日,バーストしました。
オンラインで請求しても,ステイタスが 『請求済』 になりません。登記情報の取得をすることができません。
司法書士は,登記情報提供サービスで直前閲覧をし,東京メトロの車掌のごとく 『名義ヨォーシ!』 と指差し確認をしてから決済場所を訪れる掟になっています。
このですね,大したことないように見えて非常に重要な作業ができない平成最後の3月4日。善管注意義務を果たすことができない司法書士は震えます。閲覧したくて閲覧したくて震える。
不幸中の幸いと申しましょうか,3月4日は 『仏滅』 でした。
日本人一般に宗教心が薄いと言われますが,『お日柄』 にはそこそここだわります。結婚にせよ,マンション購入にせよ,一世一代のビッグイベントに仏滅を選ぶ人は少数派です。
『仏滅でヒマな筈なのに決済業務入ってラッキー☆』 と思った司法書士は,『やっぱ仏滅は糞して寝ちゃえば良かったな。』 と激しく後悔したことでしょう。ご愁傷様です。
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プチまな
3月5日も少々不安定だったようです。当日は 『大安』 でした。
全国司法書士(と西野カナ)の震えで地殻変動が起きないことを祈るばかりです。地震はもう懲り懲りです。