皆さんこんにちは,司法書士講師の三枝りょうです。
来年度司法書士試験一発合格を目指す、いわゆる「初学者」の受験生さまも、各予備校から提供される今年の試験の分析講座を受講してみると良いでしょう。
「分析会」「検証会」と名称はまちまちですが、趣旨は同じです。
今年どんな問題が出て、その難易度はいかなる塩梅だったかを教えてくれます。
2022司法書士試験筆記試験で興味深い問題を一緒に見てみましょうか。
今年受験された人は、問題冊子を片手に閲読してください。
午前第6問です。
時効に関する出題です。
司法書士試験において「時効」は頻出論点です。
ですから、「今年の試験で時効が出る!」と申しても何の価値もありません。
時効の「どの論点が出るか」まで指摘して「出題予想」となります。
今年は、「時効の完成猶予」を中心とした出題でした。
サイクル的には予想どおりです。
肢アの正解の根拠は、民法147条1項1号です。
裁判上の請求があった場合、その裁判上の請求が終了するまでの間は、時効は、完成しない。
確定判決によって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
そう書いてあります。
条文読解とは、条文を暗記することではありません。
「読み解く」です。長ったらしい文章を、どういうケースでどんな結論になるのか読み解く作業です。
民法147条1項1号を上記のように読み解くことができれば。
訴えを提起して、その取下げがあった場合でも、時効の完成猶予の効果は生じることは分かるでしょう。
瞬殺で「誤り」です。
これで「1」「2」はないな、ということが分かります。
あとは3択です。
肢イの正解の根拠は、民法149条です。
仮差押えがされた場合、その仮差押えが終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
上記の147条には、「確定判決によって権利が確定したときは、時効は、裁判上の請求が終了した時から新たにその進行を始める。」という規定があります。
「時効の更新」と呼ばれる規定です。
対して149条にはありません。
ということは、「仮差押えが終了した時から新たに時効が進行する。」という考え方は作問者オリジナルであって、条文から導かれる結論ではありません。
よって「誤り」です。
肢イがクセ者なのは、「時効の完成が猶予され、」の部分までは正しいところです。
出題が予想されるところは徹底的に学習する。
難度が低ければ、皆と同様得点できてそれでよし、本問のようにややフックがあれば他の受験生に差をつけるきっかけとなる。
これが合格のための勉強法です。
アガルートアカデミー司法書士講座「演習総合講義」にはそれがあります。当方が講義を担当しているからです。
問題文は「正しいものを選べ。」です。
アイの2肢が誤りだと判断できると、もう他の選択肢を見る必要はありません。
1234は、選びようがありません。
次の問題に移りましょう。
ゴッドファーザーです。
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