皆さんこんにちは,司法書士講師の三枝りょうです。
えーっとですね,まあ色々お話したいこともあるのですけれども。
パイ毛の話とか。
とりあえず,商業登記の話でもしましょうか。たまには。
司法書士試験では,択一式(マークシート)問題で不定期に出題されるくらいですが,思いのほか現場で気をつけなければならないこと。
それは,『印鑑(改印)届』 です。
【設問】
株式会社を設立しますよ的なあれの場合,司法書士は,クライアントから,合計 『4通』 の委任状をもらいます。
さて何の委任状でしょうか。全部答えよ。
司法書士試験受験生さま以外は,悩まずに読み進めてくださって結構です。
【正解】
定款認証の委任状
登記申請の委任状
印鑑届の委任状
印鑑カード交付申請の委任状
以上です。
もちろん例外もありますが,だいたい上記の手続はまとめて受任します。
会社設立で印鑑届手続の受任を失念することはありませんが,うっかりするのは設立後の登記手続の場面です。
たとえば 『商号変更』 です。いわゆる社名の変更です。
会社法/商業登記法的には,適法に定款変更決議をして,それに基づき 『商号変更』 の登記申請だけすればよろしいです。
が,しかし,実際は,『いっしょに改印手続もやりんすか?』 とアドバイスをしてあげた方が親切です。
だいたいの 『会社実印』 には,『社名』 が入っています。
なので,『株式会社根本商事』 が,『NEMOパトリオット・カムパニー株式会社』 に社名を変更したのに,ハンコはそのままで大丈夫ですかと。法的には問題ないですけれどもと。
いわゆる中小企業の場合,なかなかそこまで気の回る人は多くはありません。
印鑑届で厄介なのが 『印鑑証明書』 です。
これから印鑑の届出をするのに,印鑑証明書を添付するとはこれいかに。
と,多くの初学者受験生はおっしゃいます。ご指摘ごもっともです。
画像をご覧ください。できれば拡大して。
こちらが印鑑(改印)届書のサンプルです。
司法書士に依頼した場合,1枚の紙に3種類のハンコを押します。
上の左部分に押印するのが,『これから登録する会社のハンコ』 です。
これが手続後に 『法人実印』 と呼ばれるものになります。
真ん中右部分に押印するのが,『司法書士のハンコ』 です。申請人印です。
こちらは,登録印である必要はありません。なので,司法書士は,適当な認印を押します。
一番下の部分に押印するのが,『代表者のハンコ』 です。
こちらは,当該代表者が市区町村に登録した,いわゆる 『個人実印』 じゃないと死刑になります。
で。
こちらのハンコが本当に 『個人実印』 か否かを確認するために,市区町村長発行の印鑑証明書を添付すると。そういうことです。
死刑にはなりません。
新たな代表取締役が就任した場合にも,当該,印鑑届手続をすることがままあります。
その場合は,いわゆる 『就任承諾書の印鑑証明書』 あるいは 『代表者の選定に係る書面の印鑑証明書』 を流用と申しますか援用します。
で,やはり,厄介なのが 『印鑑証明書』 です。
『登記申請』 の場面では特に使用期限がないのに,『印鑑届』 に添付する印鑑証明書は作成後3か月内のものじゃないと死刑というですね,何だそれはと。
なお,法人設立時に公証役場で定款の認証を受ける際に提出する発起人個人の印鑑証明書も,作成後3か月内のリミットがあります。何だそれはと。
死刑にはなりませんけれども。
【PR】
人気講師の授業が圧倒的低価格
資格スクエア
【PR】
「今,覚えたい」を持ち運ぶ
プチまな